地方創生の鍵はLGBT!?全国で広がるインクルーシブな自治体の取り組み


(更新日:2016.03.17)
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Chihosousei

今月10日、三重県伊賀市は申請のあった同性カップルに対しパートナーとして認める公的書類を4月1日から交付すると告示した。「同性パートナーシップ条例」と呼ばれる同様の取り組みは東京都渋谷、世田谷両区に続いて全国3例目であり、兵庫県宝塚市や那覇市も年内実施を目指している。

また、奈良市は性的少数者(LGBT)の観光や旅行を支援する国際団体「国際ゲイ&レズビアン旅行協会」への加盟や、LGBTを観光客として積極的に受け入れる態勢の構築に向けた取り組みを進める方針を決め、2016年度の当初予算案に208万円を計上したことを発表した。市観光戦略課によると、自治体が同協会への加盟の意向を示したのは全国で初めて。奈良市は今後市内のホテルや飲食店などの観光業者を集めた講演会開催や、市民向けの展示会を実施し、LGBTフレンドリーな観光まちづくりを進めていく。

札幌市ではLGBTや弁護士、大学教授らでつくる市民団体が、同性カップルを結婚と同等の関係と認める制度の創設を札幌市に求め、署名活動を始めた。今月末まで市民の署名を募り、5月上旬にも要望書とともに市に提出する。

取り組みの意義について、三重県伊賀市の岡本市長は、電通のインターネット調査で、LGBTとされる人が人口の7%以上を占めたとした上で、「人口約9万5千人の伊賀市では6千人以上が該当することになる」と話した。「市への提出書類の性別欄に『その他』と記入する人が実際にいる。堂々と生きられる社会をつくることは自治体の役割だ」と狙いを話している。

一方で、先駆けて同制度を始めた渋谷区の取り組みについても既に数点課題が指摘されている。当制度は法律ではなく、飽くまで拘束力の弱い条例であり、またその取り決めの細部についても解釈の余地が大きいものとなっている。制度によって保証される権利も、異性間のそれに比べては程遠く、相続や税制上・社会保険上の優遇措置といった重要性の高い権利は未だ保証されぬままだ。

伊賀市に続いて他の自治体においても同類な動きが見られつつあることは、LGBTにとって大変喜ばしい。この取組は果たして、域内に居住するLGBTの課題解決という文脈でのみ語られるのか、それとも制度を導入した自治体に対し、域外からLGBTが流入するという文脈で語られるのか、導入が進んでいく自治体での動きを注視したいが、単に先駆者の渋谷区のフォロワーとなるだけではなく、LGBTにとって本当にどのようなことが重要なのか、その本質からずれぬ取り組みが続くことを期待する。

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